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ぎんなん
日時: 2010/12/13 12:08
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

平成8年2月に創刊。
隔月に句会があって、また隔月に発行されるA4の8頁の句会と通信互選の発表紙と言っていいと思います。

創立の経緯は、そのうち聴いておいて挙げたいと思いますが、この会は、層雲慶の作家が多いのですが、『層雲』の支部ではありません。

この会の特徴は、主催者を置かず、会員は平等に選句され評される開放的な会であり、その意味で『層雲』などにみられる年功序列や権威主義がありません。
しかし、会の水準は高く、句評も活発です。

初期のメンバーには隗師もおられたことが分かりました。『草原』の随句の基調を試し、理解を得る場として、相応しい会と思っています。

2号  留意事項

 一、出句が正しく扱われる場とする。
 一、一つの志向に拘泥するのではなく、多様な志向を認める場とする。
 一、規定された自由律俳句の場ではなく、自由律俳句を探す場とする。
 一、互いに慣れ合い誉め合う場となることを避ける。
 一、開放的な場とする。関東だけではなく他の地域にも広める。


2号の後記より
 『ぎんなん』について

「ぎんなん」での俳句の発表は、競争の場ではなく、探求の場としたいと考えています。競争は句作する上での一つの方便にすぎないと考えています。かって石井歓(当時、日本合唱連盟理事長)氏に合唱コンクールは邪道ではありませんかと直接話したことがありました。その時氏は、現実に合唱が発展していく上での必要悪と考えていると若い私に話してくれました。競争を自分のものとして句作の励みになるような場としたいものです。   開かれた場とするためには、皆様の意見が必要です。活動内容により優れた方法があれば、そのようにしたいと考えています。お便りを心からお待ちしています。
 無理をせず自然体で永く続きますようにと、また「ぎんなん」が皆様方の句 作の一助になればと思っています。今後、皆様の暖かいご支援とご協力またご 批判を御願いいたします。(幹事一同)
メンテ

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1号 平成8年2月6日発行 ( No.1 )
日時: 2010/12/13 12:12
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

番号    出   句              作  者

  一  小春の無人のホームが放送している       北田 傀子
  二  通過電車の屋根すれすれに朝月       北田 傀子
  三  尻尾を忘れて来たような凧も風の中       石川 直寛
  四  脇を通らせてもらう忘れていた歳月       石川 直寛
  五  空どこまでも深ければ雲のさびしさ       篠崎 信勝
  六  浮き雲も雀もみえずなれば寒い月       篠崎 信勝
  七  車椅子のゴム輪も軽し秋深し       三宅美代子
  八  秋の色かくして車輪に冬を呼ぶ       三宅美代子
  九  鴨をみながら歩く川の畔りの小春日       横山 国士
 一〇  しゃれたステッキの老人の伸ばすと高い背       横山 国士
 一一  ほころんでいる 梅の花かげ       井上 敬雄
 一二  梅の花の日ざし閉じたまぶたに明るい       井上 敬雄
 一三  埴輪の眼深く影する寒明けて       伊澤 元美
 一四  救出今日も待つ家族雪山晴るるのみ       伊澤 元美
 一五  反抗期お手柔らかにいよかん頬張る       南家歌也子
 一六  春近し子の飛び越えたすみれの蕾       南家歌也子
 一七  ふる雪のぼたん雪になってからもふりつむ       清水 福司
 一八  オウムが住専に禅譲するニュースの座       清水 福司
 一九  冬日に浮かんだモザイクの街のあれが横浜(鎌倉学園より) 福田安紀子
 二〇  娘への情残るホームの別れ       福田安紀子
 二一  昨日の喧嘩まだ続いている階段の足音       松尾 尚子
 二二  春へ水栽培のヒヤシンス桃色       松尾 尚子
 二三  女はやはり和服がよろしいので職場の仕事始め       遠藤 虹水
 二四  鏡が、ちぶさがはじらう       遠藤 虹水
 二五  薄日がさしてからの雪は陽気な舞を舞っている       池田 常男
 二六  雀、身を細くして雪やんだ空へ鋭い一声       池田 常男
 二七  春の川暗黙の鯉ロンドで交信       臼井美智子
 二八  ままごとのトンネル壊われ金髪少女消ゆ       臼井美智子
 二九  夕膳にのぼる山女がたわむれている山           下村 鳴川
 三〇  杉の穂からすりぬけた満月つららする       下村 鳴川
 三一  体こきこき音させて酒の前の男ご機嫌       河内登美子
 三二  椿一輪落ちて静もりが此所奥の細道       河内登美子
 三三  誰か探しにくるよな雪夜の女を帰す       菊池 正治
 三四  雪女ふと消えて暗く船のない海       菊池 正治
 三五  あどけなき雛飾れば一人居の暮らし足りてる       佐瀬志づ子
 三六  節立ちし老の手みつめわたしとむき合う       佐瀬志づ子
 三七  北風が泣いている裏通りゆっくり歩るく       松本 由
 三八  余生何か暦を剥すように去った日をおもう         松本 由
 三九  鏡の人勝手に老けていく       吉多 紀彦
 四〇  時刻表同じところ開いての眠り       吉多 紀彦
 四一  花粉情報、春がウロチョロする       萱沼余死行
 四二  影の角が取れたほろ酔い       萱沼余死行
 四三  駅前でティシュが女の転落さそう       金子 美代
 四四  春宵さくらさくら夢が夜桜舞う       金子 美代
 四五  朝日のしずくを下まつ毛に溜めている       黒崎 渓水
 四六  予定調和の積木が転がっている       黒崎 渓水
 四七  蝶がここまで来てくれた窓あけてある       斉藤 実
 四八  陽射し目高が動き出した       斉藤 実
 四九  白梅雲一つない空へはじける       佐瀬 広隆
 五〇  からすがからすを呼び飛び交う雪原       佐瀬 広隆
メンテ
2号 平成8年3月26日発行 ( No.2 )
日時: 2010/12/13 12:21
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

作 品
○北田 傀子
 一  小春の無人のホームが放送している
 二  通過電車の屋根すれすれに朝月
○石川 直寛
三  尻尾を忘れて来たような凧も風の中
四  脇を通らせてもらう忘れていた歳月
○篠崎 信勝
 五  空どこまでも深ければ雲のさびしさ
 六  浮き雲も雀もみえずなれば寒い月

○三宅美代子
 七  車椅子のゴム輪も軽し秋深し
 八  秋の色かくして車輪に冬を呼ぶ
○横山 国士
 九  鴨をみながら歩く川の畔りの小春日
一〇  しゃれたスッテキの老人の伸ばすと高い背
○井上 敬雄
一一  ほころんでいる 梅の花かげ
一二  梅の花の日ざし閉じたまぶたに明るい
○伊澤 元美
一三  埴輪の眼深く影する寒明けて
一四  救出今日も待つ家族雪山晴るるのみ
○南家歌也子
一五  反抗期お手柔らかにいよかん頬張る
一六  春近し子の飛び越えたすみれの蕾
○清水 福司
一七  ふる雪のぼたん雪になってからもふりつむ
一八  オウムが住専に禅譲するニュースの座
          
○福田安紀子
一九  冬日に浮かんだモザイクの街のあれが横浜(鎌倉学園より)
二〇  娘への情残るホームの別れ
○松尾 尚子
二一  昨日の喧嘩まだ続いている階段の足音
二二  春へ水栽培のヒヤシンス桃色
○遠藤 虹水
二三  女はやはり和服がよろしいので職場の仕事始め
二四  鏡が、ちぶさがはじらう
○池田 常夫
二五  薄日がさしてからの雪は陽気な舞を舞っている
二六  雀、身を細くして雪やんだ空へ鋭い一声
○臼井美智子
二七  春の川暗黙の鯉ロンドで交信
二八  ままごとのトンネル壊われ金髪少女消ゆ
○下村 鳴川
二九  夕膳にのぼる山女がたわむれている山
三〇  杉の穂からすりぬけた満月つららする
○河内登美子
三一  体こきこき音させて酒の前の男ご機嫌
三二  椿一輪落ちて静もりが此所奥の細道
○菊池 正治
三三  誰か探しにくるよな雪夜の女を帰す
三四  雪女ふと消えて暗く船のない海
○佐瀬志づ子
三五  あどけなき雛飾れば一人居の暮らし足りてる
三六  節立ちし老の手みつめわたしとむき合う
○松本 由
三七  北風が泣いている裏通りゆっくり歩るく
三八  余生何か暦を剥すように去った日をおもう
○吉多 紀彦
三九  鏡の人勝手に老けていく
四〇  時刻表同じところ開いての眠り
○萱沼余死行
四一  花粉情報、春がウロチョロする
四二  影の角が取れたほろ酔い
○金子 美代
四三  駅前でティシュが女の転落さそう
四四  春宵さくらさくら夢が夜桜舞う
○黒崎 渓水
四五  朝日のしずくを下まつ毛に溜めている
四六  予定調和の積木が転がっている
○斉藤 実
四七  蝶がここまで来てくれた窓あけてある
四八  陽射し目高が動き出した
○佐瀬 広隆
四九  白梅雲一つない空の空へはじける
五〇  からすがからすを呼び飛び交う雪原

 細かい春の雨が降っています。葉のない枝にも、一年十分働いて緑の濃さを増した常緑樹の葉先にも、透き通った雨の滴がたまりぽつりぽつりと落ちてゆきます。静かな芽吹きの前の春です。
「ぎんなん」に二四名の人が集まりました。この二四名で新たな出発をしたいと思います。三月二〇日幹事五人が集まり「ぎんなん」の在り方、活動内容 について協議しました。
メンテ

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