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第12回自由律俳句会
日時: 2013/09/21 22:03
名前:   <y_soneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

◎『第十二回自由律俳句フォーラム』お知らせ
会の発足当初より名称に「東京」とつけると地域的に限定されてしまう
とのご指摘を受けていましたが、今回からどなたでも参加しやすくする
ために「自由律俳句フォーラム」と名を改めました。
秋は句会と併せ、勉強会を中心に行います。テーマは「河東碧梧桐研究」
で、碧梧桐句を五十句紹介し、投句頂いた皆さんにお好きな句を選句し
て頂こうと企画しています。投句に対する選句の方も従前通り投句者全
員の互選に変わりはありません。
さらなる自由律界の発展のため今回も宜しく皆様のお力添えをお願い申
し上げます。大賞句にはささやかですが記念品と賞金、二位三位作品に
は賞品を贈呈いたします。
1日時 平成二十五年十一月二十三日(祝)午後一時〜五時
2会場 江東区 芭蕉記念館分館 (芭蕉稲荷の側の方です)
東京都江東区常盤1ー6ー3電話03ー3631ー1448
地下鉄都営大江戸線 森下駅A1出口より徒歩8分
東京メトロ半蔵門線清澄白河駅清澄通り改札A1出口徒歩7分
3参加料1000 円(出句のみも可) 出句料1000 円
出句だけでも可です。その場合は1000 円です。
二句一組(開催日まで句会等にも未発表の作品)
4投句締切り 平成25年9月30日(月)
5主催 東京自由律俳句会
6プロデュース 「海紅社」
7応募要領
ふりがな
@作者名、本名 (書類等を郵送できるお名前なら俳号でも可)
〒・住 所・電 話・ メールアドレス (お持ちの方は)
A送付先 下記までいずれかの方法でお送り下さい。
〒154-0012 東京都世田谷区駒沢2―28―14
電話・Fax 03―3422―6962
メール tadato8008@nifty.com 宛、お送り下さい。
メンテ

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第12回自由律俳句会報告 1 ( No.1 )
日時: 2014/03/14 16:33
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第十二回自由律俳句フォーラム
(主催 東京自由律俳句会)
平成二十五年十一月二十三日
江東区芭蕉記念館分館

◆参加者名簿
(アイウエオ順、○印は当日参加者です)
渥美ゆかり(海紅「阿良野句会」)
伊藤よう子(「萌句会」)
岩谷 照子(海紅「しらさぎ句会」)
大西 節(海紅「赤壺詩社」)
〇小笠原陽子(「鉄塊」・「ア・ぽろん」)
折原 義司(海紅「かみなり社」)
河合 さち(海紅・福岡)
〇梶原 由紀
○上塚 功子(海紅「しらさぎ句会」)
萱沼 良行(「層雲」・「ぎんなん」)
黒瀬 文子(「しらゆり句会」)
古城いつも(一般俳句超結社・まめの木)
木庭キヌヨ(海紅「しらさぎ句会」)
小山 智庸(海紅「かみなり社」)
斉藤 実(「層雲」・「ぎんなん」)
坂部万千代(「しらゆり句会」)
○佐瀬 広隆(「層雲」・「ぎんなん」)
島田 茶々(「群妙)・「ぎんなん」」
○白松いちろう(「群妙」・「ぎんなん」)
須佐弥寿呼(「萌句会」
菅原 瓔子(海紅・秋田)
○そねだゆ(「草原」・「ぎんなん」)
高橋登紀夫(海紅「かも川吟社」)
○田中 耕司(海紅「海紅社句会」)
○柵橋 麗未(「しらゆり句会」)
ちばつゆこ(「層雲」・「エトレ会」・「井月会」)
○中塚 唯人(海紅「海紅社句会」)
南家歌也子(「層雲」・「ぎんなん」)
馬場古戸暢(「草原」)
原 さつき(「萌句会」)
原 鈴子(海紅「赤壺詩社」)
○平岡久美子(「層雲」・「ぎんなん」)
藤井 雪兎(「鉄塊」)
藤田 踏青(「層雲自由律」・「豈」・「でんで
ん虫の会」)
風呂山洋三(海紅・宮城)
本間 鴨芹(海紅・北海道)
正木 土昜(海紅・四日市)
松尾 尚子(層雲「松の会」)
○松岡月虹舎(「層雲自由律」・「でんでん虫の会」)
三島当美子(「萌句会」)
宮地 祥子(「萌句会」)
三好 利幸(「きやらぼく」)
森 命(海紅・岐阜)
ゆきいちご(「きやらぼく」)
湯原 幸三(海紅「海紅社句会」)
吉川 通子(海紅・長野」)
吉田 數江(「萌句会」)
○吉多 紀彦(「層雲」・「ぎんなん」)
吉原 陽子(「萌句会」
若木はるか(海紅・山形)
若山志津子(「萌句会」)
◆はじめに◆ 中塚 唯人
今回は投句者
51
名、当日出席者
12
名の方のご協力
をいただきました。心から御礼申し上げます。今回
は海紅がプロデュースを受け持ち、「河東碧梧桐研
究」をテーマとする勉強会と、いつもの句会との二
部構成で開催されました。第一部の勉強会では碧梧
桐の年譜を使って生い立ちから筆を置くまでの生き
様が語られ、次にあらかじめ参加者全員に配布され
た碧梧桐五十句から、各自が選をして、その結果が
発表されました。
(つづき)
メンテ
Re: 第12回自由律俳句会 ( No.2 )
日時: 2014/03/14 16:39
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

碧梧桐五十句 中塚唯人選

◎子規・虚子時代
春寒し水田の上の根なし雲 (M二十八年)
赤い椿白い椿と落ちにけり (M二十九年)
乳あらわに女房の単衣襟浅き (M二十九年)
機関車の煙おそろしき若葉かな (M三十年)
強力の清水濁して去りにけり (M三十一年)
町の名は宗右衛門夜は長右門 (M三十五年)

◎新傾向時代
空をはさむ蟹死にをるや雲の峰 (M三十九年)
思はずもヒヨコ生れぬ冬薔薇 (M三十九年)
相撲乗せし便船のなど時化となり (M四十三年)
墓所の木に鳶見る日凧も遠き空 (T一年)
仏の中に弟ある柩白かりき (T四年)

◎海紅時代
座定まれば野にをりしごと冴ゆるなり (T四年)
干足袋の夜のまヽ日のまヽとなり (T四年)
炭挽く手袋の手して母よ (T五年)
水捌けがわるい大根葉ッパ (T五年)
雪掻き立てかけし二人にて育ち (T六年)
子規庵のユスラの実お前達も貰うて来た (T六年)
牡蠣飯冷えたりいつもの細君 (T六年)
お前が見るやうな都会生活のあさり汁 (T六年)
道に迷はず来た不思議な日の夾竹桃 (T六年)
毛虫が落ちてひまな煙草屋 (T六年)
編み手袋のほぐるればほぐす (T六年)
泣く話しての笑ひ話よ (T六年)
ことしの菊の玉砕の部屋中 (T六年)
林檎をつまみ云ひ尽くしてもくりかへさねばならぬ (T七年)
髪梳き上げた許りの浴衣で横になってゐるのを見まい (T七年)
楢の葉が散る楢の幹の中の私の格子戸 (T七年)
あなたに会ひたくて枯萩の知らない私 (T七年)
煉瓦塀の林の道が菜畑になった (T七年)
中腰で目刺を炙って闘はんとす (T七年)
曳かれる牛が辻でずっと見廻した秋空だ (T七年)
話のいとぐちがほぐれ若鮎の香が漲った (T七年)
代々木八幡の椋の実が拾はれる界隈の女房ら(T七年)
馬の艶々しさが枯芝に丸出しになってゐる (T七年)
夜の鏡があつて外套の襟が折れない (T七年)
菊がだるいと言った堪えられないと言った (T七年)
そば屋で真面目な話して綿入襟垢 (T七年)
妹の病ひ早やう冬にしたい (T七年)
二人の言葉切れぎれになって懐炉が出るのだ  (T八年)
網から投げ出された太刀魚が踊って砂を噛んだ  T九年)

◎海紅離脱以降
草をぬく根の白さ深さに堪えぬ (T十一年)
重ね着の袖口から出た数珠の全たい (T十一年)
妻と雪籠もりして絵の具とく指 (T十二年)
投げ出してみる足に日のあたるさま (T十二年)
桜活けた花屑の中から一枝拾ふ (T十三年)
散らばってゐる雲の白さの冬はもう来る (T十三年)
大根を煮た夕飯の子供達の中にをる (T十三年)
山を出て雪なき一筋の汽車にて帰る (T十四年)
此頃妻の亡き八百屋菜を積む葱を積むあるじむすめ
 (S二年)
金爛帯テリかがやくをあやに解きつ巻き巻き解きつ (S十二年辞世の句)

その結果、
◎最高得点句
赤い椿白い椿と落ちにけり (明治29年)
子規にして印象明瞭と言わせた句。椿は花片が散るのではなく花弁ごとボタッと落ちる。それも赤と白が鮮やかな色彩を持ち落ちる、あたかも抽象画を見るようだ。俳句は文学でもあり絵画でもある。また当時は色を二色使うことも珍しくその点でも斬新。

◎第2位
曳かれる牛が辻でずっと見廻した秋空だ  (大正7年)
「売られる」という言葉は使われていないが、「辻」とは岐路であり、それは人生の分かれ道とも言える。そこからこの牛は売られていくのだろうと想像がつく。そして秋は一年の終焉をもうすぐ迎える時期で、やがて「冬」すなわち終わりを迎える。そんなことを知らずのどかに牛は空を見渡している。その瞳に映る秋空はあくまでも青い。田中耕司氏を自由律俳句へ誘った句。

◎第3位
炭挽く手袋の手して母よ (大正5年)
母は忙しいもの、何時も働いている。それもよく呼びたてられる。今も呼ばれて立った母は、炭を挽く手に軍手をはめている。「母よ」の中に、そうして母に対する理解の籠もった愛情を含めている。「人間味の充実」と、阿部喜三男氏もいっている。手袋の下の節く
れ立った手がなぜか目に浮かんでくる。

◎第4位
夜の鏡があつて外套の襟が折れない(大正7年)
夜の鏡とは何を象徴しているのだろうか。なぜ外套の襟が折れないのか、ミステリアスな大人のエロチシズムへとシーンは続く。

◎第5位
妻と雪籠もりして絵の具とく指 (大正12年)
この時代にこんな日常的な事柄を句に取り上げる事はかつてあっただろうか。これが自由律句とも言えよ。

そのほかにも
強力の清水濁して去りにけり (明治31年)
この句には「濁して」と「去り」の動詞が二語使われている。これもこの時代に珍しいこと。静かな清水の流れがあり、人が来て、水を掬い、水を濁し、立ち去り、して清水はまたその静かさを取り戻す。
水捌けがわるい大根葉ッパ (大正5年)
もうこの時代にTwitter のような口をついて出るリズムがそのまま時代のさきがけとしてあらわれている短律作品。
髪梳き上げた許りの浴衣で横になってゐるのを見まい (大正7年)
この他の句にも見られるのだが、碧梧桐は常にひとところにとどまらず時代と共に覚醒し続け、新しいものを求めている事がよく分かる。
碧梧桐の句はあまりにも多い。その多作が災いし、余りにも多くの作品が残った結果、評価の低い句があるのも事実だ。
そのことは常に自己内の覚醒をはかり、同じところに留まろうとはせず、革新こそが我がゆく道と突き進んだ結果であり、ルビ俳句に至るまでの俳句人生を後世の多くの評者は失敗とみて、碧梧桐を忘れ去ろうとしたが、その短絡的な結論は、碧梧桐自身が時代と共に生き、句も共に歩んだという事実に無知であるということに過ぎない。
碧梧桐句は年譜を追い、碧梧桐の人生の歩みと共に読
み解かなければならないと思う。そして碧梧桐句の奥はとてつもなく深い。
(つづく)
メンテ
Re: 第12回自由律俳句会 ( No.3 )
日時: 2014/03/14 17:10
名前:   <yusoneda@yahoo.co.jp>
参照: http://soneda.or.tv

第二部はいつもの通り、51名からの投句を投句者全員で選を依頼し、その結果について句会を行いました。
その内容については梶原由紀さんがレポートしてくれています。
まずは皆さんからいただいた102句を詠草集として纏めましたのでもう一度鑑賞下さい。

第十二回自由律俳句フォーラム」 詠草集
1芒の一本挿し今夜の肴とする  風呂山洋三
2咥え煙草で秋刀魚焼いている  藤井 雪兎
3老い二人残されしみじみ今朝の膳  宮地 祥子
4落書の人生深呼吸を一つ  萱沼 良行
5頼りの息子は嫁のもの  そねだ ゆ
6夕陽 酸素を独り占め  藤田 踏青
7風吹いて帯から抜け出す赤とんぼ  平岡久美子
8百五円の菓子袋いくつも買い帰り父よ 古城いつも
9虫の音ほろろほろろ夜の底  佐瀬 広隆

to be continued
メンテ

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